オモテトウラ

最新作がDVDになったということで、人と一緒に改めて「トイ・ストーリー」を観ました。



「一緒に見る?」と声をかけられたときは「この年になって子供向けの映画を観てもな……」とあまり乗り気ではなかったのですが、実際に観てみると大人になった今見てもかなり面白い。
というか、子供だった頃はトイ・ストーリーを面白いとは思わなかった気がします。
どちらかというとお話の中盤に出てくる悪ガキと、彼が持っている不気味なオモチャが怖くて嫌いだったような気が。
大人になって観て、初めて面白いと思いました。


「オモチャ」が人間の知らないところで命を持って動いているというのは子供にも楽しめる設定なのですが、ストーリーや登場人物(人?)の描き方はどちらかというと大人向けです。
持ち主の少年「アンディ」に大事にされているために、自分が他のオモチャよりも特別だと思っているカウボーイの「ウッディ」。
そんな彼が、自分の代わりに新しくアンディのお気に入りとなったオモチャ「バズ」との衝突との中で、喪失していた他人との友情を得る話。


このように書くとただの良くある話のようなのですが、トイ・ストーリーの良い点は登場人物がどこか「足りないところ」を持っていて、リアリティがあること。
主人公の「ウッディ」は前述の通り自信過剰で、自分は他人よりも特別だ、と思っています。
もう1人の主人公の「バズ」も自分がテレビ番組の中の登場人物=スペース・レンジャーのバズ・ライトイヤーだと思い込んでいて、彼もまた、現実が見えていない、欠点のある人物です。
そんな2人ですから、対立するのは当たり前で。
でも、そんな2人が現実に直面して、自分の欠点に気付いてお互いを認め合えるようになるまでのお話。
トイ・ストーリーは、大人の鑑賞に十分耐えうる映画だと思います。


……なかなか伝わった気がしない。
文字で伝えることの、何と難しいことよ。
独り言。
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「チトセアメってこんなに偽善者なの? 褒めることしかできないの?」と思ったあなたは読んでも大丈夫。
どちらかというと、そんなあなたに読んでいただきたい。
以下、批判。


「2」と「3」は完全に蛇足。
内容的にも同じ話の繰り返しで、変化がない。
全てウッディとバズが(心情的にor物理的に)離れて、事件が発生してまた仲良くなるまでの話。
それから、家に帰るまでの冒険譚。
素晴らしい逆「ホーム・アローン」。
あの映画の「2」も何だか微妙でしたが。


友情なんてものはすぐに壊れるものということをピクサーは言いたいのかな、と思ってしまうほどです。
アクション・シーンもつまらなかった「バイオ・ハザード」の「2」とか「3」と同じ匂いがしている。
「売れたから、同じような話をまた作ってヒットさせよう」という、そんな商業臭い匂い。
その「1」がヒットしたのはその映画が新しい要素を含んでいたからであって、それは使い回しても売れないってのに。
どうして続編なんて作るのか。
これが大人の事情というやつか。